第24話
「なにあれ、なにあれっ!? 優しすぎるでしょ!? なんでなの!? やっぱりお姉ちゃんの妹だから!? いや、それならそれでいいんだけどね!? あっ、でもあれかな!? 妹みたいな感じだよね!? それとも小動物と思われてるのかな!? ……そんな気がしてきた、うん。私きっと愛玩動物の代わりにされてるんだな。うん……」
「……………綾、とりあえず落ち着きなさい」
色々と暴走してしまった私に友香ちゃんがため息をつきながらなだめてくれる。
「とりあえず、目下目標はどれだけ早く居候から抜け出せるかなのよね……。絶対彼女とかいるよ……いるよ、あんな素敵な人を放っておく人なんて絶対にいない、いないいないいない。私、背中刺されるの嫌」
「どんなどろどろドラマの展開なのよ!? もう、とりあえず落ち着きなさいってば! 大丈夫だと思うわよ? そこら辺は流石に涼香さんも調査済みでしょうし、彼女がいたのなら、流石に草薙さんも受け入れないと思うし。そういうのはきっちりとやっている人だよ」
「友香ちゃんは草薙さんのことを信用してるんだね……」
「言ったでしょう、常識人だって。そのかわり、わたしは綾の幼馴染みの男の方は全く信用してないから」
「バッサリー……」
「当たり前でしょう。……で?」
「え?」
「今日の帰りは? 迎えあるの?」
「…………アリマス」
「はいはい。じゃ、来るまでもう少し待ってましょうか」
「……ごめんね、友香ちゃん巻き込んじゃって……。本当に帰ってくれてもいいんだよ?」
「綾を一人にする方が心配だから無理」
「そこまで子供じゃないんだけども…………」
「そんなのわかってるわよ。だから心配なんじゃない。たぶん、涼香さんも草薙さんもわたしと同じ気持ちだと思うわよ?」
「すごい子供扱いされてる気がしてならないよ……」
しゅーんと落ち込みながら、私は机に突っ伏した。
それにしても、ちょっと不気味なのはあれから春翔にぃの接触がほとんどないことだ。たまに知らない番号から電話がかかってくるから、諦めたわけではないのだと思うけど、それでも、姿を見ないというのは正直怖い。
お姉ちゃんがなにかしらの手を打ってそういう行動に出ないように牽制しているのならいいのだけれども。
でもそれならそれで、たぶんお姉ちゃんからそういう連絡が入ると思う。『これで安心していいわよ!!』とか、メッセージでめっちゃ入りそう。なんだけど、そう言った連絡は一切ないから、たぶん、春翔にぃが自らそういう行動をしているのだと思う。
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