第77話

「まさかクゲ君の噂って…」


「勿論わざとだよ。あそこまで酷いと何が事実で何が嘘か分からなくって逆に信憑性が無くなるでしょ」


「……」


「皆、単純だから。少し優しくすれば良い人だと勘違いして、いくら事実が出回ろうが勝手にデマだと思い込んでくれるから」



全部、事実なのにね。と、ニコっと笑って少女は言う。




親を期待しても無駄。居なくなっても家出したとしか思わないから。だってデマを信じるもん。って自信満々に。



後は仲が良かった人間が事実だと言えば完全に信じる…、終わる。と、今まで何度もその手を使って、それが全て通じてきたと言いたげに少女は語った。



聞けば聞くほど頭が痛い。



え、もしかして、本気で詰んだ?

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