第75話

「嘘を吐かないで!」


「嘘?本当だよ」


「絶対に嘘」


「じゃあ、お兄ちゃんに電話してみれば?私の話が嘘なら助けに来てくれるでしょ」




バカにするように少女に言われ、傍にあった鞄の中からスマホを取り出す。



ココがドコかは分からないけど、ちゃんと電波はあるようだった。



助けて欲しい一心でクゲ君に電話を掛ける。



来てくれる、そんな思いで。



「あ、」



プツッと表示が切り替わり、慌ててスマホを耳に当てる。


そうすれば流れてくる機械音。





『この電話番号からの電話はお繋ぎ出来ません』




ツーツーツー。


え…?

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