電話

第72話

「あ、起きた?」



ドコだか分からない牢屋のようなコンクリート壁の部屋の中。


目を開けると知らないツインテールの女の子が私を見つめていた。



背が小さく貧相な体、幼く可愛らしい顔つき。


高校生か…、もしかしたら中学生くらいかも知れない。




「誰?」


「クゲの妹」


「え…?クゲ君の?」




思いもしなかった返答に目をパチクリさせる。



確かクゲ君の妹って小学生じゃなかったっけ?


中学生と高校生なのは弟だけで…。



でも、目の前の少女はどう見たって中学生以上。


小学生には見えない。



それに写真で見た女の子とは似ても似つかない。



まるっきし別人だけど…と少女を見つめて首を撚る。



すると、妹と名乗る少女は疲れたように小さく息を吐き出した。

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