第63話

マキちゃんがその店へ通ってるなら、とりあえず体が元気なのは確か。



だけど、その元気な姿を自分の目で確認しなきゃ不安で仕方なかった。



何より怒ってて連絡をブチられてるなら仲直りしたい気持ちでいっぱい。





だから結構長い時間お店の近くで張り込んでた。



その日は来なかったから、次の日もまた次の日も。


ずっとずっと張り込んでた。


だけど、マキちゃんは一向に来ない。




それでも数日、同じことを続けた。


その間、お店のホストが何人もお客さんと出入りしてたけど、マキちゃんはおろかクゲ君も見かけなかった。



だからもう大胆にホストクラブが入ってる雑居ビルの前に向かい、入口の前で待機。



人が出てきたらサッと移動し、それ以外はスマホを弄って誰かを待ってるふり。



そんなことを続けて2時間くらい経った頃。



「あ、」



マキちゃんによく似た人が私の目の前を横切って、ビルのエレベーターに乗り込んでいった。



一瞬見ただけだったし、マキちゃんにしてはかなり派手すぎた気もするけど、顔や雰囲気はよく似てた。


さっきの女の子がマキちゃんだったのかも知れない。

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