第60話

「自信ないなー…」


「そうだよね」


「ノルマとかあるみたいだし」


「あ、やっぱ、あるんだ?そういうの」


「うん。1日3万は絶対に売り上げ作るとか、そんな感じであるらしい」


「へぇ…」


「逆に前借りした分以上に売り上げを作れたら直ぐに辞められるんだけど」




誰か来てくれそうな友達とか居たかなー?とクゲ君は自分のスマホを触り出す。



それを横で見てたら何故だか無性に背筋が冷えて心がモヤモヤした。



自分の知ってるクゲ君が変わってしまうような、寂しいような不安に似た感情が湧いてくる。




でもまぁ、そんなの感じるだけ無駄だったみたいで。




「あ、しまった。キリちゃんに告った日に全部消したんだった」




と、クゲ君は思い出したかのように言った。


必要な連絡先以外は全部消したって。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る