第59話
「えー?また?」
「そー。でもまぁ、その分の返済は貯めてた貯金でどうにか帳消しに出来たんだけどね」
「そうなの?」
「うん。ただ、その貯金って学費を払う為に貯めてた分だったから」
「あー…」
「今度はそっちが払えなくなってさ。どうしようかなって」
頭を抱え込んでクゲ君は作戦を考えるように目を閉じる。
辞めたくはないし、でも払えないし、期限は狭ってるし、で焦ってるらしい。
期限は残り1ヶ月もなく、普通のバイトだけで全額集め戻すのは至難の業。
困ってバイト先に相談したら、ホストとして店に出るなら前借りをさせてくれると言われたそうだ。
背に腹は代えられない、でも嫌だしなー…って悩んでる。
「噂通りになるとかマジで嫌」
「真面目にやればいいじゃない」
「やったところでなー。噂通りの人間だと思われるのは変わらない」
「そりゃそうだけど…」
でも、嫌だとは言えない状況でしょう?
学費も払わなきゃいけないし。
それにクゲ君が噂通りのNo.1ホストになってしまうかと言われたら、そんなこともないだろう。
よく一緒に居るけど、好きだとか言うわりに手の1つすら出してこないところを見ると、やっぱり奥手っぽいし。
逆に務まるかの方が心配。
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