第54話

いや、今日はなるべくご一緒して欲しくないんだけど…、と思うが、クゲ君は気にしてない。



マキちゃんを見れば、表情も乏しく小刻みに震えてる。



本気で怖がってるみたい。




「……変な噂があるんだね」


「そうだよ。俺とセフレだとか殴られてるとか、よく痣だらけになってるのもその所為だとか、そんな…」


「なんでそんな変な噂が?」


「さぁ…。何人かに聞いた話だと、マキちゃん本人が言い回ってるって聞いたけど」


「え、マキちゃんが?」




驚いてマキちゃんの顔を見ると手を固く握り締めて俯いていた。


肩で息をして過呼吸すら起こしそうな面持ちで。



そんなマキちゃんを見て、クゲ君はテーブルに片肘をついて溜め息。



笑顔も消えて憂鬱げに表情を曇らせてる。

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