第38話

「は?昔?元カノ?そんなわけないじゃん」


「え?」


「だって投稿日見なよ。一昨日だよ?」


「いや、そうだけど…」


「簡単に騙されちゃって。マキちゃん頭悪い〜」




キョトンとした私にマキちゃんは随分トゲトゲしく言って不貞腐れてしまった。



そのまま足早に歩いていく。


 

もー。何?この間から。


クゲ君の話になるとこればっか。



極端な話、別にクゲ君が実際に遊び人であろうと私達には関係のない話なのに。



友達として過ごす分には別に悪い人でもないんだから。



最近のマキちゃん、何か変。




「ばいばーい。またね~」



そう思うその後ろで、さっきクゲ君にキレてた女の子達の楽しそうな笑い声が聞こえた。



振り返って見ると笑顔で2人に手を振るクゲ君。



どうやら、ちゃんと仲直りしたらしい。




なんだ…。やっぱり。


仲直りしてるってことは誤解だったんじゃない。




あれだけ穏やかになってるくらいだし、さっき皆がしてた噂で合ってたのは、あの子達がファンの子って部分だけだったんだろう。




「クゲ君」



半ば何が事実か分かったような気分でクゲ君の元へ行く。



私に気づいたクゲ君は「ごめんねー。向こうのただの勘違いだったみたい」と私の憶測を肯定するように言った。

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