第37話
「えー。だって、まぁ…。前に見たしぃ」
「そうなの~?ドコで?」
「ライブだったかなぁ」
何気なしに聞いた私にマキちゃんは乾いた声でそう言うと、静かにスマホの画面を閉じた。
かなぁ?って何?
あんまり覚えてない?
絶対にそうだと言い切っておいて何じゃそりゃ。
しかも、ちゃっかりライブに行ってるとか。
初耳なんだけど。
「そっか。じゃあ、本物っぽいね」
「うん」
「でも、ま、別にいいんじゃない?」
「…………いいって?」
「その写真が本物だとしても多分元カノか何かとの昔の思い出でしょ」
きっとそう。
今は彼女が居ないって言ってたし。
クゲ君の話が本当なら現在進行系の写真ではないはず。
だったら別に問題なくない?
あれだけモテてるんだから、元カノの1人や2人くらい居るだろうし。
居たからって=遊び人=嘘つきと関連付けるのも何だかな、って感じだ。
むしろ、それを狙って昔の写真を今っぽく見せて貼ったとか、そんな感じかも。
苦労するなぁー…、クゲ君。
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