第36話

「えーっと…、本カノは私だし。他の女は消えろ…、って何これ。怖…」


「ね。彼女は居ないとか嘘ばっか」


「これ本当にクゲ君?」


「どう見てもそうでしょ」


「似てる誰かなんじゃないの?」


「違うってぇ。この写真の男、クゲ君と同じ場所に傷跡があるじゃん」




ほらココ、と言ってマキちゃんは写真に映る男の脇腹に指を差す。



確かに…。


写真の男の脇腹には真っ直ぐな白い傷跡がある。



クゲ君のイメージと合ってるような、合っていないような、そんな傷。




「これって例の女の子に刺されたって噂の傷かな?」


「そうだよ〜」


「脇腹にあったんだね」


「うん。右の脇腹のとこ」


「そうなんだ?マキちゃん、よく知ってたね」




私はそんなの知らなかった。


刺された傷が体のドコかにあるとは噂で聞いてたけど、それが体のどの部分にあるのかまでは出回ってなかったし。

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