第15話
「疑ってる?」
「えっ⁉」
「ギャンブル好きとか、金にルーズとか、借金を踏み倒してるとか…。色々、変な噂があるもんね」
「あー…」
「まぁ、もう別にそこは仕方ないんだけど…。キリちゃんまであの変な噂を信じてるのかと思ったら、ちょっと凹む」
「え、違うの…?」
「違うよ。確かにパチ屋に出入りしてたけど、それはバイトで店員としてだし、金にルーズとかマジで金がないだけで…」
堰を切ったように話し出すクゲ君。
借金は自分じゃなく父親の話で、巻き上げたと言われたお金は普通に貸してた分を返して貰っただけ。
貢がせてる話は純粋にファンや当時付き合ってた子から貰ったプレゼント。
奢らせてる云々は返済に困ってるクゲ君を見兼ねた友人が、気を利かせて勝手にやってくれたこと。
借金を踏み倒した話は、持ち合わせがない時に立て替えてくれた友人が『別に返さなくていい』と言ってくれた話。
それを周りに居た人が『ちゃんと返すべきだ』と騒ぎ、それが面白おかしく広がった…らしい。
聞けば、女関係も身に覚えはなく振った女の子の腹癒せによるものだとか、ファンの子の嫉妬によるものだとか、色々理由はあるらしい。
どちらかと言えば奥手だし、来てくれるのを待ってる方だから…。と、噂の真相らしきものを次々に聞かされる。
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