第13話

「実はさ、さっきキリちゃんがハマってるって言ってた漫画もねー、全巻持ってる」


「嘘⁉」


「マジ。少女漫画だし、読んでるって知られたら引かれるかなと思って言えなかったけど」


「引くわけないじゃん」


「そ?なら良かった」




あの漫画、面白いよねー。ここの展開がこうで…と無限に話が広がっていく。



好きな料理のレシピとか、おすすめの本とか、話題のドラマだとか、次から次へと止まらない。




趣味が合うのか、合わせてくれてるのか分からないけど、知識が豊富。



なーんだ意外といい人じゃん。とまで思ってしまうんだから、人間って単純。




「それでね…ってクゲ君、ご飯それだけ?」




ふとクゲ君のご飯に目を移すと、学食じゃなく家から持ってきたらしきお弁当箱。


中身を見れば白ご飯とモヤシとミニトマトだけだった。




いくら何でも少なすぎる。



まさか減量中?既に細いのに?

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