第77話
「「「「ごめんなさいっ!!」」」」
「!?」
「いや、その、昨夜にエレメント様に怒られてしまったなぁ……」
「!?」
「あなたが帰ってきてくれたのが嬉しくて構いたかったの。けれど、それは母であるわたくしだけではなく他のみんなもおんなじ気持ちで……」
「!?」
「それで、それならばみんなであなたを構い倒せばいいって話だったのだけれど、なぜか少しの時間でいいから独り占めしたい! って話に方向が変わっていってしまって」
「!?」
「結果的に、昨日のあのような状況になってしまったのです……」
「!?」
次々と暴露されるその話に、私は本気でどう反応すればいいのか分からなくて、ただ驚いているしかできなくて。
「でも、父とのドレス選び、楽しかったよな?」
「えっ」
「まぁ! そんなことはございません。わたくしとのアクセサリー選びが一番なはずです!」
「えっ」
「父上も母上も違います。わたくしとの紅茶の飲み比べが一番でした!」
「えっ」
「父上も母上も姉上も違いますっ! 俺とお菓子食べていた時間が一番幸せだったはずです!!」
「えっ」
「ジュード、マレ様にステラがとられるからって」
「それとこれとは関係ありません、父上!」
「まぁ、あなただって、ステラのために作らせたドレスに、あの方の色を混ぜたドレスは一着も混ぜていないと伺ってましてよ?」
「なんと器の小さい男たちなのでしょう、母上?」
「ほんとよねぇ、シエル?」
「「認めないっ!!」」
この状況はなんなのだろう。
いや、そそれよりもこれは怒ってもいいのかもしれない。
沸沸と、怒りが湧いてきて、私は思わず叫んだ。
「向こう一週間!! どなたとももう会いません!! 私の部屋にも来ないでください!! 私は今っ、勉強を頑張っているのです!!」
私はそういって、風のエレメント様の力を無意識に使い、家族を部屋の外に締め出した。
そうして、私はこの一週間、ほぼ部屋から出ることなく勉強漬けで過ごしたのだった。
私は知らない。私が面会謝絶状態をしている間にまさかマレ様がこちらにきてくださっていて、私に会いにきてくれたにもかかわらず会わないと宣言してしまったことを。
ショックを受けたマレ様にメイドたちが何が起こったのかを事細かく説明し、納得したマレ様がその怒りをあっさりと私の家族に笑顔でぶつけていたことを。
その様子をしっかりと見ていたエレメント様たち曰く。
『自業自得』
との事だったらしいと。
私は知らなかったのだった。
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