fin

第68話

7年後───



車に乗り込んでエンジンを掛けた。




結婚式も終わり、入籍して半年。




未だに祐希が俺の奥さんになったとは信じられない。




あの文化祭の後のことをふっと思い出す。




祐希を失いたくなくて、余裕がなかったにしろ……強引だったな俺……。




思い出して少しだけ恥ずかしくなった。




5歳の頃から好きで。



何年もお互いすれ違って。



付き合って。




今では夫婦か……。




不思議な気分だ。




あの頃は子供の頃の夢が叶うとは思わなかった。




「涼っ。お待たせー!」




家の戸締まりをしていた祐希が助手席の窓をノックしながらニッコリ微笑む。




可愛いな……。




子供の頃からずっと傍にいたのに全然飽きない。




愛情も冷めることなく続いてる。

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