祐希を校内中探しまわって、体育館の方に来た──。

体育館の中は演劇やライブをやる人がいるから結構人が多い。

でも、中を覗いてみたり周りを探してみたけど祐希は見当たらない。

ここにはいないのかな？

「あ、王子見つけた！」

「……中山？」

急に肩を叩かれて、振り向いたら同じクラスの中山が笑顔で立っていた。

「そんな格好で……そ、そんなに見つめるなよ！本当に男なのか確かめたくなるだろ？」

「……どうしたの？」

顔を覆い隠して首を横に振る中山に怪訝な目を向けつつ、尋ねた。

通り掛かる人全員が俺らをチラッとどころかじっと見つめてくる。

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