第52話

「その子に告白するの?」




祐希は続けて尋ねてくる。



告白…か。



したけど……。




祐希は……あの日の公園のこと、覚えてないのかな?




「したよ。その子の返事待ち」




そう答えた。



いつか祐希があの日の告白を思い出してくれるかも知れないから。



思い出して、俺の気持ちに気づいて欲しい。




あの頃からずっと……気持ちは変わってない。




揺らぐことなく、祐希を思い続けてきた。




よそ見なんて出来なかった。




他の女の子じゃダメなんだ。




愛せる自信がない……。




「祐希は?好きな人…いるの?」




複雑な心境になりながら尋ねた。



答えはわかりきっていたけど。




「……いるよ」




やっぱり……。




目を伏せて答える祐希に、切なさでいっぱいになる。




「それって……健?」




祐希は健が好きなんだ。

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