大切な女の子

第51話

好きって言えたら───。





今日、俺、健、祐希、芦田さんでカラオケに行った後、祐希が俺の家に来た。




カラオケで様子がおかしかったから、心配だったんだけど……。




「コンピューターが涼の味方するっ……!」




ゲームをしているうちに祐希はいつも通り元気になった。




「拗ねてるの?」




ベットに寝転がって頬っぺたを膨らまして拗ねる祐希。




そんな祐希が可愛くて顔を覗いたら、祐希は顔を横に振ってぶつぶつ呟き始めた。




……どうしたんだろう?




不思議に思って見つめてたら、祐希は俺に視線を戻して真剣な顔を浮かべた。




「涼はさ……好きな子とかいるの?」




唐突にそう聞かれて、ドキッと胸が高鳴る。




好きな子……。




「……いるよ」




祐希だよ。って言えたらどれだけいいだろう。




言いたい。




祐希が好きだよって。




でも、はっきりと告げて振られるのが怖い。




振られたら、もう傍にいれなくなるかも知れないから。

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