第49話

「ウサギさん……」




「ウサギさん?」




ボソッと祐希が呟いた声を聞いて顔を上げたら、祐希は目を瞑って気持ち良さそうに眠ったままだった。




「なんだ……。寝ぼけてたんだ」



ホッと息をつく。



本気でビックリした……。




それにしても“ウサギさん”って祐希の部屋にあるウサギのヌイグルミのことかな?




ベットの横にある棚の上に飾ってるヌイグルミ。




祐希に何処と無く似てて、俺があげたやつ。




たまに抱き締めて眠ってたっけ?




ウサギのヌイグルミと俺を間違えたのかな?




思わず笑いそうになる。




「可愛いすぎだよ」




ギュッとしがみついて離れない祐希を抱き締め返した。




柔らかくて、ふわふわの髪の毛が頬にあたる。

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