第43話

「ま、そんな感じだ。ほら、学校行くぞ」



健は呆気なく話を終わらせて、ベンチから立ち上がって公園の入り口に向けて歩いていく。



けど……。




「止めなよ。暴走族なんて……」




俺はベンチに座ったまま、健の背中に向かって叫んだ。




暴走族がどんなことをしているかとか詳しくは知らない。




でも、危ない目に合うのは間違いない。



それに……。




「祐希が巻き込まれたらどうするんだよ……」




祐希がいるときに、さっきみたいなことがあったら確実に危ない目に合う。




「させねぇよ」




「“させない”とか“守る”とかそんな問題じゃないだろ」




鼻で笑いながら言い切る健に強い口調で言い返す。




健にだって、何か事情があるのかも知れない。




けど、どれだけ気をつけてても起こるときは起こる。




祐希がいる時に今日みたいなことがあるかも知れない。

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