第40話

それから俺と健は、ある程度の距離を走って、公園の中に逃げ込んだ。



昔、いつも遊んでた公園。




ここならもう大丈夫なはず。




学校は完全に遅刻だけど……仕方がない。



ベンチに腰を下ろしながら、俺は息を調えて健にさっきの話を再び尋ねた。




「それで……九蓮って?」




ピクッと健の眉毛が動く。




言いたくなさそうな表情を浮かべる健をただ黙って見つめる。




「あー。まぁ、なんつーか……。アレ?」




誤魔化そうと言葉を濁す健。




……言いたくないのかな?




「言いたくないなら言わなくてもいいよ?でも、危ないことに関わるのは止めて欲しい」




健が何をしてたって友達にはかわりない。




ただ、今日みたいなことに頻繁に巻き込まれているのかと思うと心配だった。

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