第38話
鋭い視線を健に向けていた男は俺に視線を移すと、口を手の甲で拭った。
「くそっ。何が九蓮宝燈(チュウレンポウトウ)だ。九蓮(キュウレン)の奴らだけは許せねぇ」
「九蓮宝燈?九蓮?」
って……あの伝説だとか、上がったら死んでしまうとか言われてる麻雀の役?
苛立たしげに言った男に思わず聞き返す。
麻雀は、よく知らないけど、健が一度でいいから上がってみたいって言ってた思い出がある。
役満の中で1番上がるのが難しいとか言ってたような……。
「あ゙?なんだテメェ?」
その行動に余計に腹を立てたのか、男は立ち上がって俺に詰め寄ってきた。
殺気を感じさせるくらい鋭い目で睨まれて、ピリピリとした空気が走る。
「俺は……」
「白山ー!!テメェの相手は俺だろうが。そいつは関係ねぇ!!」
名前を名のろうとしたら、健がすかさず走ってきて白山と呼ばれた男を殴り倒した。
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