第37話

「何だとゴラァー!」




「ヤル気あんのか?テメェら」




健は挑発されて飛びかかってきた男たちを、軽々しくなぎ倒していく。




相手も健も、俺のことや通行人のことは、まるで視界に入っていない。




通報されるのも時間の問題かな。





それにしても……。




元々、喧嘩は強い方だったけど健は昔よりも、さらに強くなった気がする。




喧嘩慣れしているように見えるのは気のせいじゃないはず。




俺や祐希の前ではそんな素振り全く見せなかったのに。





「くそっ……樋山……」




最初に殴られた男がボソッと苛立たしげに呟く。




俺はその男の方に顔を向けた。

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