第35話

一際、人相の悪い男が健に詰め寄る。




「さぁ?覚えてねぇ。ってか仲間の礼参りか何か知らねーけど、朝から群れんなって、イワシかテメェらは」




苛立ちを押さえているような不気味な笑い方をする男を見下ろしながら、健は険しい顔を崩してニヤと笑った。




ヘラヘラ笑いながら言った健の態度が気にくわなかったのか、男たちはグッと顔を歪める。




「テメェ!!ぶっつぶす!!」




「おー。来いよ」




けど、苛立つ男たちと対称的に健はドコまでも余裕で。




“慣れてる”




そう思った。




「健、やっぱり変なことに関わってるだろ……」




俺がそう尋ねたら健はチラッと俺の方を見て、小さく鼻で笑った。




「あーあ。バレたか」

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