第25話

「家出して、涼の傍に行っちゃうと思うなぁ……」




「……本気で?」




俯きかげんで寂しそうに言う祐希の言葉に驚きすぎて、時が止まったように感じた。




俄には信じがたい。




だってそれって…裏を反せば俺と離れたくないってことに繋がるから……。




「うん。涼と会えなくなっちゃったら私……」




でも、祐希は否定をせずに涙ぐむ。




そんな祐希を見て俺まで泣きそうになった。





それがただの幼なじみとしての気持ちだとしても全然いい。




泣きそうになるくらい思ってくれていることが純粋に嬉しくて。










「大丈夫。傍にいるから」




もう一度改めて決意した。



やっぱり、ここに1人で残るって──。

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