第26話

スケート場を出た帰り道──。




祐希の家の前で裕也君と会った。




「おっ!涼じゃないか。久々だな」




玄関に入ろうとしていた裕也君は俺と祐希に気づくと、開けようとしたドアを再び閉めて俺たちの傍まで歩み寄ってきた。




裕也君が大学生になってから会う頻度が極端に減っていたせいか、裕也君と会うのがすごく久々に感じる。




「あ、久しぶり。裕也君」




俺が挨拶をしたら裕也君は歯を見せて笑った。




「なんだお前たちデートか?いいな。若いやつらは」




裕也君にからかうように肘で突っつかれて、祐希の顔がみるみる赤くなっていく。




「お、お兄ちゃん、どこに行ってたの?」




恥ずかしそうに顔を隠して話題を変えた祐希に、裕也君は「あぁ」と小さく呟いた。

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