第24話

1年に1回会うだけの関係になってしまったら、俺なんて祐希の中で薄い存在になるかも知れない。




今日のことも、今までのことも




全て "思い出" として心のアルバムの中に閉まって、そのうち開かれなくなるかも知れない。




そう思ったら無性に怖くなった。




「もし、祐希と俺が織姫と彦星だったらどうする?」




カッコ悪いけど、そう聞かずにはいられなかった。




もし、祐希が一言でも "寂しい"と言ってくれれば、このやるせない気持ちも消えるんじゃないかと思った。




でも……。







「家出すると思う……」




「え?家出?」




帰って来たのは予想外の言葉だった。

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