第23話

祐希が俺のことを頼ってくれたことが少し嬉しくて。




「うん。約束する」




小さく頷いて祐希の手を引いた。




ゆっくり氷の上を滑っていく。




でも、せっかくのスケートも俺はあまり集中出来なくて。




"このまま一緒にいたい"



"このまま手を離さずに祐希のことを連れ去りたい"




そんなバカな考えで頭の中が埋めつくされる。






引っ越してしまったら祐希と会えるのは、夏休みか、お正月。




1年に1回か2回。




今とは比べ物にならないくらい少なくなる。




まるで織姫と彦星みたいだ。




俺も彦星みたいに結局は祐希と引き離されるのかな……。

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