第22話

滑り方を説明しても祐希は怖いのか、リンクの手すりに掴まって震えて動かない。




「祐希、俺に掴まって?」




滑ることに慣れれば少しは怖くなくなるかな?と思って祐希に手を差し伸べた。




「うん……」




祐希は小さく頷いて、躊躇いがちにゆっくりと手を伸ばして俺の手を握る。




「行くよ?」




「う、うん……」




俺の呼び掛けに頷いてはくれるけど、祐希はやっぱり怖いのか目をギュッと瞑った。




「祐希、目を開けないと滑れないよ?」




「わ、わかってるもん……」




「やっぱり、止めて他のところに行く?」




「え、やだ! 今日絶対滑れるようになりたい」




そう言って、恐る恐る目を開けた祐希に笑みが零れる。

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