第21話

───祐希の仕度が終わって、俺たちはスケート場に来た。




ひんやりとした空気に懐かしい匂い、線が走る滑らかな氷。




ここに来るのは小学生以来だったけど、最後に来た時と何一つ変わっていない。




スケート場をデートに選んだのは、祐希に『今年こそ滑れるようになりたいの』って言われたからだけど……。




「涼…待って?置いて行かないで……」




祐希は滑るどころかリンクに入った瞬間から一歩も動けずに苦戦してる。




今にも足を挫きそうで、見てる俺の方が怖い。




「重心を少しだけ内側に掛けて、左足と右足、片足ずつ体重移動するように滑ればいいんだよ」




「全然わかんないっ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る