第18話
「祐希……」
おばさんに引っ越しのことも、俺の気持ちも全て話してしまおうかと思ったけど……。
起きてきた祐希にキョトンとした顔で見られて何も言えなくなってしまった。
「どうしたの?私、今日涼と約束してたっけ?」
目を擦りながら惚けた顔で首を傾げる祐希が可愛くて、思わず笑みが零れる。
「あ、ううん。俺が勝手に来ただけだから……」
「え?そうなの?どうして?」
どうして……か。
祐希に尋ねられて改めて悩む。
自分でもどうして祐希の家に来たのか解らない。
ただ……無性に祐希に会いたくなった。
『会いたかったから』って言ったら祐希、困っちゃうかな?
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