第19話

「んー。祐希と遊びに行こうと思って……」




咄嗟に思い付いた言葉はそれだった。




遊びに行けたらいいなって気持ちもあったのかも知れない。




もし、このまま引っ越してしまったら……もう簡単に遊びにも行けない。




時間が迫る中、最後の思い出が欲しかった。





「え?2人で?」




「うん。祐希に予定がなかったらだけど……」




「全然何もない!行こうよ、涼」




祐希は俺の隣に座って目をキラキラと輝かせてくる。




それが凄く可愛くて……。




「じゃぁ、着替えておいで?」




気付いたら祐希の髪の毛に触れてた。




「わっ…!?」




祐希は驚いたのか、慌ててソファから飛び退く。

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