第16話

「おばさん……」




「あら?涼君どうしたの?」




いつも通りにインターホンを鳴らして、おばさんに出迎えて貰って、リビングに通された。




「祐希と約束してたの?あの子ったら、まだ寝てて……」




日曜日の朝に来るのは珍しかったのか、おばさんは不思議そうにしてる。




「いいんです。俺が勝手に来ただけですから……」




「そうなの?ごめんね。もう起きてくると思うから」




いつも通り俺に微笑んでくれるおばさんも、もう見れなくなるんだと思うと寂しい。




「あの……」




「……うん?」




同時に祐希と本当に離れなきゃいけないんだと思うと悲しくて……。




「祐希のこと……」







"連れて行ってもいいですか?"







「祐希がどうかした?」




「あ、いや。やっぱり何でもないです」




バカなことを聞きそうになった。




連れて行けるわけないのに。

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