第14話

「涼君……どうして行きたくないの?」




母さんが心配そうな顔で俺を見る。




「それは……」




理由を話せばわかってくれるのかな?




でも、言ったところでどうしようもないのかも知れない。




まだまだ子供な俺が1人で暮らしていけるか、わからない。




「1人で残して行くのは、心配なの。一緒に行きましょう?」




母さんが俺の手を握り締めて諭してくる。




俺だって正直不安だ。1人でこっちに残るのは。




本人以上に親からしてみれば心配だと思う。




付いていくのが1番いい答えだ。




でも、やっぱり簡単には頷けなくて。




「ごめん。ちょっと考えさせて」




そう言った。




結局は悪あがきにすぎないのに。




父さんと母さんは渋々頷いてくれてたけど……。




きっと俺は────。

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