離れたくなくて。
第10話
「転勤することになった」
受験も目前に迫った中3の冬。
リビングのソファの上で寛いでテレビを見ていた俺は、軽い口調で父さんにそう告げられた。
「え?どこに……?」
「北海道よ」
突拍子もなく言われて、驚く俺に母さんが微笑みながら楽しそうに言ってくる。
北海道……。
俺たちの住む街からは結構な距離がある。
どう頑張っても通勤出来る距離じゃない。
「俺たちも行くの?」
「そうよ。暫くはこっちに戻って来れないと思うわ」
"戻って来れない"
母さんに言われた言葉が頭の中に反響する。
あくまでも軽い口調で告げてくる母さんと父さんにいまいち実感が湧かない。
「え……家は?」
「家は貸し出すの」
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