第7話

「じゃ、俺は教室に戻るわ」




健はそう言って、笑顔で手をひらひらと振って教室に戻って行った。




祐希は何も話さずにそれを泣きそうな顔でずっと見つめていて。




「祐希……」




俺が名前を呼んだら祐希は肩をビクと震わせた。




「涼……」




祐希の声は今にも消え入りそうで……。




やっぱり、止めたのは間違いだったのかな?とか




あのまま…俺が飛び出さなければ2人は上手くいっていたのかも知れない。とか




後悔と罪悪感が出てくる。




でも……。




「涼……ありがとう……」




祐希の言葉はそれを否定していて。




祐希に、腕をギュッと握られて少しだけ安堵した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る