第78話

「……あ。」




思い当たる節を思い出した私は掌で口を覆った。




考えられる理由はただひとつ。




樋山君に連れ去られた祐希を篠田君が救い出した後、泣いていた祐希を篠田君が慰めてたのかもしれない。




そこに裕也さんが通りかかったとか?




樋山君、相当キレてたしやっぱり何かあったのかしら?




取り合えず、助けてあげないと。




「裕也さぁん。きっとそれはユッキーは頭が痛くて泣いていたのよ?」




私は裕也さんにニッコリ笑ってそう言った。




樋山君の話なんてするわけにいかないし。




そんな話なんてしたら裕也さんのことだから騒いでしまいそうだもの。

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