「それは……壊すことなんて誰にも出来ないね？」

篠田君が口もとを手で押さえて笑い続けてる。

篠田君の言う通り。

誰にも壊せないわ。

例え、裕也さんでもね？

「涼まで里恵子ちゃんの味方を……ってか俺はまだお前を許したわけじゃないぞｯｯ。」

裕也さんは私を引き離すのを辞めて篠田君に詰め寄った。

「なぁに？篠田君がどぉしたの？」

篠田君、裕也さんに何かしたのかしら？

珍しく深刻な顔をした裕也さんに疑問が浮かぶ。

「涼が……俺の可愛い祐希を泣かせてたんだｯｯ。」

裕也さんがビシッと人差し指を立てて篠田君を指した。

泣かせてた？

篠田君が祐希を？

どうしてかしら？

祐希は樋山君に連れ去られて、それを篠田君が追いかけて……

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