第76話
「り、り、り、り、り、里恵子ちゃんッッ!!」
裕也さんは顔を真っ赤にさせて私を引き離そうと暴れる。
でも、離してあげない。
迷惑だなんて言いながら顔を赤く染める裕也さんが悪いのよ?
「ははッ。裕也君愛されてるね?」
それまで黙っていた篠田君がクスクスと笑った。
「あ、あ、愛って…………」
裕也さんは顔を真っ赤にさせたまま、吃りながら口をぱくぱくさせてる。
「当たり前よ。里恵子の裕也さんへの愛は……ダイヤよりも歯よりも親子の絆よりも堅いのよッッ。」
誰にも負けないわ。
裕也さんを好きな気持ちだけは。
どうしてここまで好きなのかはわからないけれど。
とにかく好き。
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