第74話

勇気を出して坂道を登ったら、祐希の家の前に祐希と篠田君が立っているのが見えた。




どうやら篠田君、祐希を助け出せたみたいね。




私は心の底から安堵した。




「ユッキーッッ。」




私は大声で祐希の名前を叫んだ。




祐希と篠田君が私の声に気付いてこちらを見る。




「…………ユッキーッッ。」




私は手を振りながら祐希のもとに歩いて行った。




祐希も私に手を振り替えしてくる。




祐希の無邪気な笑顔を見て、思わず口もとに笑みが溢れる。




良かった。




大丈夫そうね。




そう思いながら祐希に大袈裟に手を振り替えした時に祐希の背後に隠れている人がいるのが見えた。




じっと目を凝らす。




あれは………




あのきらびやかなオーラを漂わせたあのお方は!




裕也さん…………!

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