第67話

「ちょっと……どこに行く気?」



私は立ち上がって思わず叫んだ。




店内にいた他のお客さんの視線が集まったけど、そんなの気にしている場合じゃない。




「テメェには関係ねぇだろ!!!!」




こめかみに青筋を立てた樋山君はおもいっきり怒鳴って祐希を引き摺って外に連れていく。




「ちょっと………!」




追いかけなきゃ……




━ガターン━




後を追い掛けようと一歩踏み出したところで篠田君が先に凄い勢いで祐希たちを追って走って行った。




「えーっと、修羅場?」




その凄まじさに呆気に取られて立ちつくしていたら、それまで唖然としていた中山が顔をひきつらせてそう言った。




「はぁー。どうやら殴られたいらしいわね。チャラ山。」




能天気なこと言ってる場合じゃないのに。




もう呆れてため息しか出ないわよ。

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