第65話

そんな凍りついた雰囲気の中………




「誰?誰?誰━━━ッッ?」




美雪だけがハイテンションで篠田君に問いただす。




ここまで空気が読めないとわざとらしく見えるわ。




わざとじゃないから頭が痛いんだけど。




「誰って………」




篠田君はそこまで行って祐希の顔を見た。




この期に及んで祐希にさらに追い討ちをかけるつもり?




私は思いっきり篠田君を睨んだ。




篠田君はそんな私の視線に全く気付かずに祐希をじっと見つめてる。




祐希は篠田君の視線に気付くと慌てて立ち上がった。




「私、トイレに行って来る。」




今にも泣きそうな顔で立ち上がった祐希に篠田君は目を見開いた。




そして口を開いて何かを言おうとしたとき、樋山君がトイレから戻ってきた。




「お前どこ行くんだ?」




立ち上がった祐希の前に立ち塞がって不思議そうな顔で祐希を覗き込んでる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る