第64話

祐希は気まずそうに俯いてるし………。




何を言うつもり?チャラ山……。




「王子さ………」




「好きな子がいるんだ。その子以外とは付き合わない。」




篠田君は中山の言葉を待たずに静かにそう言った。




"好きな子以外とは付き合わない。"




その言葉が永遠と頭の中でリピートされる。




祐希は篠田君が好きで、篠田君は祐希じゃない人が好きで………。




っと言うことは………




つまり………




祐希とは付き合わないってこと?




祐希とは付き合えないって祐希の前で宣言したってことかしら?




関係だけ持っておいて?




場の空気が凍りつく。




中山も固まってる。




祐希も泣きそうな顔をしていて………。




いい加減、苛立ってきた。




篠田君がそんな人だったなんて。




怒りで頭に血が上って頭がクラクラする。

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