第63話
あら?
不機嫌になっちゃって。
作戦成功かしら?
でも、まだ………
「冗談だって。それより王子は彼女作らねーの?」
中山がサラっと篠田君に聞いた。
このタイミングで。
煽り不足な上に中山が誘導尋問なんて100年早いわよ!
わざとってバレバレじゃないの。
「彼女………?」
篠田君は明らかに困惑した顔をしちゃってるし。
私は中山に目で合図を送ってみたけれど、中山は全然気付かない。
「王子の恋の噂って全然聞かないしさ。どうなんだよ?」
それどころか楽しそうにニャニャ笑ってる。
「………。」
そんな中山の問いかけに口を結んだ篠田君は祐希の顔をチラっと見た。
やっぱり………篠田君にバレた?
まずいわね。
一刻も早く中山に誘導尋問を辞めさせないと。
不穏な空気に段々冷や汗をかいてきた。
「………中」
「そういえばどうしてー?」
中山を止めようとしたら美雪まで身を乗り出して篠田君に詰め寄り始めた。
本当にこの子KYなんだから!
ため息が出てくる。
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