第60話

注文を終えてお水を飲んでいると中山がさっそく祐希に話かけていた。




でも、祐希はボーッとしたままで中山の話を聞いていない。




「新城さん。聞いてる?さっきからぼーっとしてどうしたんだよ?」




中山が返事を返さない祐希に痺れを切らしたのか祐希の顔を覗き込んで大きな声を出した。




「あ、ううん。何でもない。どうしたの?」




大声で話しかけられて、やっと我に返ったのか祐希はぎこちない笑顔を作って中山の方を振り替えった。




「新城さんって堅苦しいから俺もユッキーって呼んでいいかなって思ってさ。」




中山が鼻の下を指で擦って照れくさそうに言う。




なるほど。




作戦決行ね?




でも、ユッキーって呼んでいいのは私だけよ?




「ダメよー。そんな馴れ馴れしい呼び方。祐希さんって呼べばいいの。チャラ山は。」




「えぇッッ?!そんな………じゃぁ祐希ちゃんは?」




中山は肩をがっくり落として祐希を上目使いで見上げてる。

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