第52話

「それって、あなたを買えってことかしら?」




「そーゆーこと。」




中山はニヤニヤ笑って私をじっと見つめてくる。




試しているのね。




私の反応を。




でも、そんなことで怯まないわよ。




「………わかったわ。いくら欲しいの?」




お金なら結構ある。




大事な祐希の恋が上手くいくかもしれないなら中山を買ってでも応援したい。




「は?金?んなのいらねーよ。」




中山は拍子抜けした顔で首を横に振った。




「お金じゃないなら報酬はなに?」




そんな態度に拍子抜けした私は中山の顔をじっと見た。




中山も私の顔をじっと見てくる。




「キス1回。」




「………は?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る