第45話
繁華街まで走った。
何度も辛くなる度に逃げ出してきた場所だった。
ここに来ると嫌でも1人でいなくて済むんだもの。
ガヤガヤとした雑音が耳に入ると乱れていた心も少し落ち着きを取り戻した。
煩わしい騒音も今の私に取ってはBGMにしか聞こえない。
私はその辺にあったベンチに座り込んだ。
走ってきたせいで息が苦しい。
でも、家にいるときよりは全然苦しくなくて、清々しい気分だった。
「君、1人ー?」
「暇だったら俺と遊ぼ?」
チャラチャラした男が次々に声を掛けてくる。
「………イヤよ。」
別にナンパが嫌なわけじゃない。
チャラチャラした男は好みじゃないの。
裕也さんみたいな……誠実な人が好き。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます