第33話

悲しい……いや、悔しい。




7歳差が何よ!




世間では20、30歳年が離れている夫婦だっているのに。




「7歳ぐらい離れてたってロリコンじゃないですってー。高校生って言っても一応体はもう女ですからぁッッ」




だから拒否しないでよ。




「あの……私、自分の部屋にいるね?ごゆっくり……」




それまで騙って私と裕也さんを見ていた祐希が苦笑いを浮かべながらそそくさとリビングを出て行った。




「おい?祐希!ちょっと待て!置いて行くなッッ!」




裕也さんは祐希にそう叫びながら私の腕を振りほどいた。




裕也さんの温もりが消えて途端に寂しさが込み上げてくる。




「待って下さい………」




「え?ちょっと、里恵子ちゃん?」




私はソファから立ち上がって祐希を追い掛けようとしていた裕也さんの腕を掴んだ。

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