第18話
「そういえば今日裕也は?」
樋山君がノートから顔をあげてシャーペンをくるくると回しながら言った。
何気なく言ったんだと思う。
たった今、思い出したって感じだったもの。
でも、私は"裕也"っと言う言葉に全身の神経が反応するかのように体がビクっと震えてしまった。
裕也なんてありふれた名前なのにいちいち反応する私はきっと重症なのだと改めて認識してしまう。。
「あ、お兄ちゃんなら部屋にいるよ?」
祐希の言った"お兄ちゃん"
その響きに期待してしまう。
もしかして、あの裕也さん?って。
そんなわけなんてないのに。
たまたまカフェで知り合ったあの人が祐希のお兄さんでした。なんて偶然があるはずがない。
そんなドラマのような少女漫画のような、そんな甘い展開なんてあるはずがないのよ。
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