第7話
「たっちゃん」
眠りにつこうとしている達哉の顔を覗き込んで昔のようにあだ名で呼んだ。
「何だよ。急に」
ピクっと肩を揺らした達哉は怪訝そうな顔を浮かべて私の顔を覗き込んでくる。
今なら聞いてくれるかな?って根拠はないけどそう思った。
私の気持ちを伝えることが出来るかなって。
「あのね、ずっと言おうと思ってたんだけど……」
でも、達哉はそう思わなかったみたいで。
「何?終わりにしたいとでも言うつもりかよ」
苛立ちを隠しきれないまま、鋭い眼差しで私を見つめる。
反射的にビクッとカラダが震えてしまい、それを見た達哉は自分の思う答えが正解だと思ったらしい。
冷めた目を私に向けると鼻で小さく笑った。
「はっ。図星かよ」
「違っ……」
慌てて逃げようとした時にはもう手遅れで。
「逃がすわけねぇだろ」
何も言い返せずにいた私をベッドに押し倒して、達哉は腹立たしげに低く冷たく呟いた。
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